Clinical symptom

腰・背中

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は腰の骨と骨の間のクッションの役割があります。外側を取り囲む線維輪と、内側の髄核で構成されています。椎間板ヘルニアは内側の髄核が線維輪を突き破って脱出した状態です。脱出したヘルニアが神経を圧迫すれば坐骨神経痛などの下肢の痛み、しびれの原因となります。

腰椎椎間板ヘルニア

腰部脊柱管狭窄症

加齢性変化によって黄色靱帯が厚くなり、神経を圧迫します。神経が圧迫されると神経の血流が悪くなり、両足(片足)のしびれや間欠性跛行(立ったり、歩いているとしびれ・痛みが増えて、立ち止まったり、座ったりするとしびれ・痛みが軽くなってまた歩ける状態)がでます。

腰部脊柱管狭窄症

腰椎すべり症

椎体が前方にずれて、すべっている状態です。すべりがある場合は不安定性を伴うことが多く、ずれている場所で神経が圧迫(脊柱管狭窄)されることにより、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状がでます。

腰椎すべり症

圧迫骨折

ころんだり、しりもちが原因でせぼねの一部が骨折する状態です。なかには、痛みもなく、身に覚えがないのに骨折していることもあります。「いつのまにか骨折」と呼ばれ、骨粗鬆症がひどくなっている場合があります。

【検査】
レントゲンで骨折がないか確認します。
MRIを撮ると折れて間もない新しい骨折か、時間が経っている古い骨折かを判断することができます。

【治療】
新しい骨折の場合は骨がくっつく(骨癒合)ための治療が必要となります。できるだけ良い形で骨癒合するために装具、コルセットなどを数ヶ月着用します。骨粗鬆症がある場合は骨粗鬆症の治療が必要です。

圧迫骨折

脊柱変形

● 思春期特発性側弯症
側弯とはせぼねが横方向に曲がっている状態のことです。
特発性側弯症は成長期に側弯が進行しますので、早期発見、早期治療が非常に大切です。早期発見すれば装具治療で側弯の進行を予防できる可能性が高くなります。
残念ながら、側弯が自然治癒することは非常に稀です。

【症状】
背中の痛みや腰の痛みがでることは少ないです。外見上の背中の変形は肩の高さの左右差、腰のウエストラインの左右差などがあります。

【検査】
レントゲンで側弯の角度を計測します(Cobb角)
MRI:側弯症には脊髄の異常を合併することがあり、MRI検査も重要です。

【治療】
側弯が見つかったときのCobb角と身長の伸び具合(からだの成長速度)によって治療方法は変わってきます。
側弯の角度が小さい(20度以下)の場合は定期検診で側弯の進行がないかをチェックします。
側弯が20度を超える場合は年齢によっては装具治療が必要となります。
側弯が50度を超える場合は装具治療の効果が少なく、手術治療が薦められます。

思春期特発性側弯症

● 成人脊柱変形(腰曲がり)
加齢性変化やせぼねの骨折により、背中が丸くなり、腰が曲がって姿勢が悪くなる状態です。

【症状】
歩いたり、立ち仕事をしていると腰が曲がってきて、どこかにつかまりたくなる症状がでます。

【検査】
立った状態での全身のレントゲンを撮影して、姿勢を確認します。
足のしびれや痛みがある場合はMRI検査をおこなって、脊柱管狭窄症を合併していないか調べる必要があります。

【治療】
軽症の場合は装具を作成して、立ち仕事の間だけ装着するなどの方法もあります。休憩して横になり休みながら作業するなどの対処方法もあります。
変形が強い場合は手術が必要となる場合もあります。

脊柱変形