Clinical symptom

くび(頚椎)

頚椎の基本構造 頚椎は第1頚椎から第7頚椎まで7個で構成されています

頚椎症性脊髄症

加齢性変化により椎間板や靱帯、骨棘が神経(脊髄)を圧迫することで手足のしびれや運動障害(箸が使いにくい、歩きにくいなど)が出現します。
MRIで脊髄が圧迫されていることを確認する必要があります。

【診断】
頚椎のレントゲン撮影:椎間板が狭くなったり、骨棘(骨がとげの様に出っ張る)が見られます。前屈、後屈したレントゲンで不安定性がないか確認する場合もあります。
頚椎MRI:脊髄が圧迫されていることをMRIで確認する必要があります。
脊髄が圧迫されている場所では脊髄の色の変化(脊髄が傷んでいる証拠)がみられます。

【治療】
運動障害がなく、痛みやしびれであれば薬を使って、症状緩和を目指します。
症状が進行した場合(歩きにくい、転びやすい、箸が持ちにくい、字が書きにくいなど)は手術が必要となります。

頚椎症性脊髄症

頚椎後縦靱帯骨化症

頚椎の靱帯が骨化(骨のように硬くなり、ぶ厚くなる)することにより、脊髄を圧迫して症状がでます。症状は頚椎症性脊髄症とほぼ同じ症状となります。なぜ骨化するかは今のところ不明です。

【診断】
頚椎のレントゲン撮影:骨化した後縦靱帯がレントゲンでわかる場合もあります。
頚椎CT:骨化がどの程度ひろがっているかを確認できます。
頚椎MRI:脊髄が圧迫されているかどうかはMRIで確認できます。

【治療】
頚椎症性脊髄症と同様で、症状が進行した場合(歩きにくい、転びやすい、箸が持ちにくい、字が書きにくいなど)は手術が必要となります。

頚椎後縦靱帯骨化症

頚椎椎間板ヘルニア

椎間板が後方に飛び出して、脊髄を圧迫して症状の原因となります。ヘルニアが神経のどのあたりを圧迫するかによって症状は様々です。ヘルニアが真ん中にある場合の症状は頚椎症性脊髄症と似た症状となり、ヘルニアが左右どちらかに偏っている場合は、どちらか片側の腕の痛み・しびれなどが出現します。

【診断】
頚椎のレントゲン撮影:レントゲンではヘルニアがあるかどうかはわかりませんが、椎間板が狭くなっているかどうか、骨棘(骨のとげ)がないか確認できます。
頚椎MRI:脊髄が圧迫されているかどうかはMRIで確認できます。

【治療】
運動障害がなく、痛みやしびれであれば薬を使って、症状緩和を目指します。
症状が進行した場合(歩きにくい、転びやすい、箸が持ちにくい、字が書きにくいなど)は手術が必要となります。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎症性神経根症

加齢性変化により脊髄から枝分かれする神経の枝(神経根)が圧迫され、どちらか片側の腕や手のしびれ、痛みが出現します。肩が上がらない、肘が曲がらないなどの筋力の低下が出現することもあります。
症状の出現パターンがあり、まずは強い肩こりや首の痛みが出ます。その症状が落ち着いてきた頃に手のしびれが出てくると頚椎症性神経根症の可能性が高くなります。

【診断】
頚椎のレントゲン撮影:レントゲンで神経根の出口である椎間孔が狭くなっていないかどうか確認します。
頚椎CT:椎間孔がどの様に狭くなっているかを調べます
頚椎MRI:神経根や脊髄が圧迫されていないかを検査します。

【治療】
筋力の低下が軽度で痛みやしびれであれば頚椎の安静目的で頚椎カラーを装着したり、薬を使って、症状緩和を目指します。多くの場合は保存療法で症状は改善します。
痛み・しびれが長期間続く場合や筋力低下が悪化する場合は手術が必要となることもあります。

頚椎症性神経根症